チョークの作り方|製造工程とホタテ貝殻の再利用
あの細い棒は、どうやって作られているのでしょう?このページでは、チョークの製造工程を順を追って説明し、捨てられるはずだったホタテ貝殻や卵殻を活かしたエコなチョーク作りの工夫も紹介します。
チョークは、粉をまぜて棒にして、切って、かわかして作るよ。ホタテの貝がらから作るエコなチョークもあるんだ。
炭酸カルシウム製チョークの作り方
今の学校で主流の炭酸カルシウム製チョークは、おおまかに次の順で作られます。
- 混ぜる:炭酸カルシウムの粉に、糊(のり=固めるための水溶性の粘結剤)と、色をつける顔料を加え、水を入れて練ります。紙ねんどくらいの固さになるまでよく混ぜます。
- 形にする:練った材料を機械から細い円柱状に押し出します。
- 切る:まっすぐ並べて、決まった長さ(学校用は約6.5cm)に切りそろえます。
- 乾かす:熱風でしっかり乾燥させます。
- コーティング:手に粉がつきにくいように、表面に薄い膜をつけます。
- 検品・箱づめ:折れや欠けをチェックして、箱に詰めます。
「押し出して・切って・乾かす」という流れは、うどんやパスタの製造ともよく似ています。やわらかい材料を棒状にしてから固める、という考え方は共通しています。
石膏製チョークの作り方
石膏製チョークは、化学反応で固める点がポイントです。
石膏チョークの材料は、石膏を加熱して水分を飛ばした「焼き石膏」です。これに水を混ぜると、化学反応(水和反応)が起きて、ふたたび硬い石膏へと固まります。この変化は 一度固まると元の粉には戻らない(不可逆) のが特徴です。
作るときは、水と焼き石膏を混ぜたものを金属の型に流し込み、固まったら型から抜いて乾かします。市販の「手作りチョークキット」も、この「水を混ぜると固まる」性質を利用しています。
ホタテ貝殻からチョークを作る
チョーク作りで近年注目されているのが、捨てられる資源を活かす 取り組みです。
北海道ではホタテの貝殻が大量に出て(その量は年間およそ20万トンにのぼるとも言われます)、その処理が長年の課題でした。ホタテの貝殻は、実は高純度の炭酸カルシウム。チョークの主成分と同じです。そこに目をつけ、日本のメーカーと研究機関が協力して、貝殻を細かく砕いてチョークに配合する技術を開発しました。
開発はかんたんではありませんでした。貝殻をたくさん混ぜすぎると、チョークが硬くなりすぎて黒板を傷つけたり、書き味が悪くなったりしたのです。試行錯誤の末、一定の割合だけ配合することで、折れにくさと書き味を両立できるようになりました。同じ発想で、卵の殻(卵殻カルシウム)を混ぜたチョークもあります。
こうした取り組みは、ごみを減らしながら毎日使う道具を作る「資源の循環」の良い例として知られています。配合の工夫の末、いまでは貝殻をおよそ1割混ぜられるようになり、年間でおよそ60トンもの貝殻がチョークとしてよみがえっているといいます。日本理化学工業の公式サイトでも、2005年からホタテ貝の微粉末を加えたことが、いっそうの品質向上につながったと紹介されています。
まとめ
- 炭酸カルシウム製は「混ぜて・押し出して・切って・乾かす」。
- 石膏製は「焼き石膏+水」の化学反応で固める(元には戻らない)。
- ホタテ貝殻や卵殻を活かしたエコなチョークもあり、資源の循環につながっている。
身近な道具にも、たくさんの工夫とアイデアが詰まっています。
よくある質問
Q. チョークは家でも作れるの?
A. 市販の「手作りチョークキット」で作れます。焼き石膏に水を混ぜると固まる性質を利用して、型に流しこんで固めます。一度固まると元の粉には戻らない(不可逆)のが面白いところです。
Q. なぜホタテの貝殻からチョークが作れるの?
A. ホタテの貝殻が、チョークの主成分と同じ炭酸カルシウムでできているからです。細かく砕いて一定の割合(およそ1割)だけ配合することで、折れにくさと書き味を両立しています。