ガジュマルとは|クワ科イチジク属の常緑高木とその植物学

最終更新: 2026年7月11日

ガジュマルは、クワ科イチジク属の常緑高木です。観葉植物として鉢で出回るものは、その幼木を仕立てたものが多くあります。

ガジュマルという植物

ガジュマルの学名は Ficus microcarpa で、クワ科イチジク属(Ficus)に分類されます。Plants of the World Online(キュー植物園)は、自生分布を熱帯から亜熱帯のアジアと西太平洋にかけての地域とし、日本もそこに含めています。自生地では高木に育ち、街路樹や防風林としても植えられてきました。

観葉植物の売り場で見かける、ぷっくりとした根元の小さな鉢は、この高木の幼い時期を切り取って楽しむものです。だから、室内のガジュマルもまた、本来は大木になる力を内に持っています。

項目内容
学名Ficus microcarpa
分類クワ科イチジク属
自生分布熱帯から亜熱帯のアジア、西太平洋(日本を含む)
生育形常緑の高木
受粉固有のイチジクコバチによる

葉と幹のかたち

葉は革質で光沢があり、枝に互い違いにつきます。鉢ものでは数センチほどの小ぶりな葉が密につき、丸みのある樹冠をつくります。

幹や枝からは、空気中に向かって根が伸びることがあります。

気根(きこん):幹や枝から空気中へ伸びる根で、地面に届くと幹のように太って株を支えます。ガジュマルの鉢でよく見る、地表をはう太い根の多くはこの気根が肥大したものです。

花と実とイチジクコバチ

イチジク属の花は、外からは見えません。花は、後に実のように見える袋状の構造(花嚢)の内側に咲きます。受粉のしくみが独特で、ブリタニカ百科事典は、イチジク属の各種が、それぞれに固有のイチジクコバチによって受粉されると説明しています。

コバチは花嚢の小さな穴から内部に入り、産卵しながら花粉を運びます。イチジクは受粉をコバチに頼り、コバチは幼虫の育つ場所をイチジクに頼ります。両者は互いがいなければ繁殖できない関係にあり、これは送粉をめぐる相利共生のよく知られた例とされています。

室内のガジュマルが実をつけにくいのは、この送粉を担うイチジクコバチが日本の本州などにはいないことが一因と考えられています。

日本での自生と利用

日本では、南西諸島を中心とした暖かい地域に自生します。キュー植物園のデータベースは、この植物の用途として、木材や燃料としての利用、薬としての利用などを挙げています。

地表に張り出す太い気根は見ごたえがあり、その力強い姿が観葉植物としての人気を支えています。気根の生態は、ガジュマルが「絞め殺しの木」と呼ばれることにもつながります。くわしくは 絞め殺しの木としての生態 で扱います。

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