ガジュマルとは|クワ科イチジク属の常緑高木とその植物学

最終更新: 2026年6月23日

ガジュマルは、クワ科イチジク属の常緑高木である。観葉植物として鉢で出回るものは、その幼木を仕立てたものが多い。

ガジュマルという植物

ガジュマルの学名は Ficus microcarpa で、クワ科イチジク属(Ficus)に分類される。Plants of the World Online(キュー植物園)は、自生分布を熱帯から亜熱帯のアジアと西太平洋にかけての地域とし、日本もそこに含めている。自生地では高木に育ち、街路樹や防風林としても植えられてきた。

観葉植物の売り場で見かける、ぷっくりとした根元の小さな鉢は、この高木の幼い時期を切り取って楽しむものである。だから、室内のガジュマルもまた、本来は大木になる力を内に持っている。

項目内容
学名Ficus microcarpa
分類クワ科イチジク属
自生分布熱帯から亜熱帯のアジア、西太平洋(日本を含む)
生育形常緑の高木
受粉固有のイチジクコバチによる

葉と幹のかたち

葉は革質で光沢があり、枝に互い違いにつく。鉢ものでは数センチほどの小ぶりな葉が密につき、丸みのある樹冠をつくる。

幹や枝からは、空気中に向かって根が伸びることがある。

気根(きこん):幹や枝から空気中へ伸びる根で、地面に届くと幹のように太って株を支える。ガジュマルの鉢でよく見る、地表をはう太い根の多くはこの気根が肥大したものである。

花と実とイチジクコバチ

イチジク属の花は、外からは見えない。花は、後に実のように見える袋状の構造(花嚢)の内側に咲く。受粉のしくみが独特で、ブリタニカ百科事典は、イチジク属の各種が、それぞれに固有のイチジクコバチによって受粉されると説明している。

コバチは花嚢の小さな穴から内部に入り、産卵しながら花粉を運ぶ。イチジクは受粉をコバチに頼り、コバチは幼虫の育つ場所をイチジクに頼る。両者は互いがいなければ繁殖できない関係にあり、これは送粉をめぐる相利共生のよく知られた例とされる。

室内のガジュマルが実をつけにくいのは、この送粉を担うイチジクコバチが日本の本州などにはいないことが一因と考えられている。

日本での自生と利用

日本では、南西諸島を中心とした暖かい地域に自生する。キュー植物園のデータベースは、この植物の用途として、木材や燃料としての利用、薬としての利用などを挙げている。

地表に張り出す太い気根は見ごたえがあり、その力強い姿が観葉植物としての人気を支えている。気根の生態は、ガジュマルが「絞め殺しの木」と呼ばれることにもつながる。くわしくは 絞め殺しの木としての生態 で扱う。

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