carry out と carry through
carry out は「(計画・命令)を実行する」、carry through は「困難を伴う事業をやり遂げる・人を支えて乗り切らせる」。実行するか、困難を貫いてやり遂げるかの違いです。
実行するか、困難を貫いてやり遂げるか
carry out と carry through はどちらも「実行する」に訳されがちですが、through が運ぶ「障害を貫通する」イメージの有無で、想定する困難さの度合いが異なります。
| 熟語 | 中心の意味 | 典型的な目的語・主語 |
|---|---|---|
| carry out | (計画・命令・調査)を実行する | an experiment, an order, a survey |
| carry through | 困難な事業をやり遂げる/(人を)困難の中で支えて乗り切らせる | a reform, a crisis/carry someone through |
carry out の使い分け
carry out は「決められたこと・計画されたことを実際に行う」という中立的な意味で、"The researchers carried out a series of experiments." のように、実験・調査・命令・指示などを対象に幅広く使われます。特別な困難さを含意しない、標準的な「実行する」の語です。
carry through の使い分け
carry through は「(反対や困難があっても)最後までやり遂げる」という意味で、"Despite fierce opposition, she carried the reform through." のように使われます。また「carry someone through〜」の形で「(困難な状況で)人を支えて乗り切らせる」(His determination carried him through the crisis)という意味もあります。
使い分けの手がかり
carry out は execute/perform に置換でき、困難の有無を問わない中立的な実行動作です。carry through は complete despite obstacles/sustain someone に置換でき、「障害があってもやり遂げる」という強い含意を持ちます。定例業務の遂行なら carry out、抵抗や困難を乗り越える話なら carry through、と考えます。
なぜ直訳で読み解けないか
out は「内部の着想を外部の現実として形にする」イメージなので、carry out は計画を実際の行動として具現化することを表します。through は「入口から出口まで障害を貫通する」イメージなので、carry through は困難というトンネルを通り抜けて完遂することを表します。
よくある誤用
We will carry through a routine survey next Monday.(誤・障害のない定例業務に through を使用)。ここでは単なる実行なので carry out。through は困難の含意を持つため不自然です。His support carried him out the difficult period.(誤)。人を支えて乗り切らせたのは carry someone through。carry out は人を目的語にして「支える」意味では使いません。まとめ
- carry out=(計画・命令・調査)を実行する(execute/perform)。困難の含意なし
- carry through=困難な事業をやり遂げる/人を支えて困難を乗り切らせる(complete despite obstacles/sustain)
- carry out は中立的な実行、carry through は障害を伴う完遂
- out=着想を外部の現実にする、through=障害を貫通する、という前置詞イメージの違い
確認クイズ(抜粋)
Q1. 空所に入る適切な語はどれですか。「The team will ( ) a series of safety inspections next week.」
A. carry out
Q2. 空所に入る適切な語はどれですか。「Despite strong opposition, the mayor managed to ( ) the reform.」
A. carry through
Q3. 空所に入る適切な語はどれですか。「Her unwavering faith ( ) her ( ) the darkest period of her life.」
A. carried / through
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