get over と get through
get over は「乗り越える」、get through は「切り抜ける・連絡が通じる」。障壁を「越える」か「通り抜ける」かのイメージ差です。
越えるか、通り抜けるか
get over と get through はどちらも「困難を乗り切る」という意味で重なりますが、前置詞が運ぶ空間イメージが異なり、使われる場面も変わります。
| 熟語 | 中心の意味 | 典型的な目的語 |
|---|---|---|
| get over | (病気・ショック等)を乗り越える/回復する | an illness, a breakup, a shock |
| get through | (難局・試験・作業)を切り抜ける/電話が通じる/使い切る | an exam, a difficult time/to a person/supplies |
get over の使い分け
get over の中心は「病気やショックの後、通常の状態に回復する」ことです。"It took her months to get over the flu." のように使われ、失恋やショックからの回復にもよく使われます。また "I can't get over how tall he's gotten." のように驚きを表す口語表現としても頻出します。
get through の使い分け
get through は「困難な期間や作業を最初から最後までやり遂げる」という意味が中心で、"We finally got through the exam period." のように使います。加えて「電話がつながる」(I couldn't get through to the office)、「(メッセージが)理解される」(get the message through to someone)、「(物資などを)使い切る」(get through a lot of coffee)という用法もあります。
使い分けの手がかり
get over は recover from に置換でき、対象は「終わった出来事からの回復」です。get through は manage to complete/make contact by phone に置換でき、対象は「今まさに進行中の困難・連絡」です。get over は山を「越えて」past を作る動作、get through はトンネルを「通り抜けて」進行する動作、というイメージの違いを意識すると区別しやすくなります。
なぜ直訳で読み解けないか
over は「障壁の上を越えていく」イメージなので、get over は病気やショックという障壁を乗り越えて過去のものにすることを表します。through は「トンネルの中を通り抜ける」イメージなので、get through は試験期間や電話回線のような「通過するべき経路」を進み切ることを表します。
よくある誤用
I hope you get through your cold soon.(不自然)。病気からの回復は get over。get through は病気そのものにはあまり使いません。I still can't get through his sudden resignation.(誤)。驚き・ショックからの回復は get over。まとめ
- get over=病気・ショック等から回復する(recover from)。驚きを表す口語表現にも使う
- get through=難局・試験・作業をやり遂げる/電話が通じる/物資を使い切る
- get over は「終わった出来事からの回復」、get through は「進行中の困難・連絡の完了」
- over=越える、through=通り抜ける、という空間イメージの違いが核
確認クイズ(抜粋)
Q1. 空所に入る適切な語はどれですか。「It took him a long time to get ( ) the loss of his job.」
A. over
Q2. 空所に入る適切な語はどれですか。「We finally got ( ) the busiest week of the year.」
A. through
Q3. 空所に入る適切な語はどれですか。「I tried calling all morning but couldn’t get ( ) to him.」
A. through
全5問はサイトのインタラクティブ版でお試しください。
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