pass for と pass off as
pass for は「〜として通用する」、pass off as は「(偽物)を〜だと偽って通用させる」。悪意を伴わない自動詞と、意図的にだます他動詞の違いです。
通用するか、偽って通用させるか
pass for と pass off as は「本物ではないのに〜として扱われる」という点で似ていますが、主語が「通用する側」か「だます側」かで文型と意図がまったく異なります。
| 熟語 | 中心の意味 | 主語 |
|---|---|---|
| pass for | 〜として通用する(悪意は必ずしも伴わない) | 通用する本人・もの |
| pass off as | (偽物)を〜だと偽って通用させる(意図的な詐称) | だます側の人 |
pass for の使い分け
pass for は「実際には違うのに、見た目や様子から〜として受け取られる」という意味です。"With his sophisticated manners, he could easily pass for a diplomat." のように、必ずしも悪意ある詐欺を意味せず、単に「そう見える」というニュアンスで使われます。
pass off as の使い分け
pass off as は「AをBだと偽って他人に受け入れさせる」という、明確に意図的な詐称を表す他動詞構文です。"The dealer tried to pass off the fake as a genuine antique." のように、主語は常に「だます側」の人物です。「pass oneself off as」の形で「自分を〜だと偽る」という再帰的な使い方も頻出します。
使い分けの手がかり
pass for は be mistaken for に置換でき、目的語をとらない自動詞的な構文で、主語自身が「そう見える」対象です。pass off as は falsely represent A as B に置換でき、目的語(偽物)と as以下(本物として見せる対象)の両方をとる他動詞構文で、主語は「偽装する行為者」です。主語が「通用する本人」か「偽装する人」かで区別します。
なぜ直訳で読み解けないか
for は「〜としての評価に見合う」イメージなので、pass for はそのまま「その評価で通用する」という受け身的な状態を表します。off as は「本体から切り離して偽の姿として押し出す」イメージなので、pass off as は偽物を本物の姿に仕立てて他人に手渡すという能動的な詐称を表します。
よくある誤用
He passed off a doctor in the village.(誤・構文の混同)。「医者として通っていた」なら pass for(またはpassed himself off as)。as が抜けると意味が成立しません。The replica passed for as an original painting.(誤・forとasの混同)。「本物として通用した」は pass for an original painting(forのみ)、または was passed off as an original painting(受動態)。まとめ
- pass for=〜として通用する(be mistaken for)。悪意は必ずしも伴わない自動詞的構文
- pass off as=(偽物)を〜だと偽って通用させる(falsely represent as)。意図的な詐称の他動詞構文
- pass for の主語は「通用する本人」、pass off as の主語は「だます側」
- for=評価に見合って通用する、off as=偽の姿を押し出す、という前置詞イメージの違い
確認クイズ(抜粋)
Q1. 空所に入る適切な語はどれですか。「With her fluent French, she could easily ( ) a native speaker.」
A. pass for
Q2. 空所に入る適切な語はどれですか。「The con artist tried to ( ) the fake painting ( ) a genuine masterpiece.」
A. pass off / as
Q3. 「彼は自分を医者だと偽った」を最も自然に表す文はどれですか。
A. He passed himself off as a doctor.
全5問はサイトのインタラクティブ版でお試しください。
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