run into と run through
run into は「偶然出会う・衝突する」、run through は「一気に目を通す・繰り返し使われる」。into の衝突イメージと through の貫通イメージの違いです。
ぶつかるか、通り抜けるか
run into と run through はどちらも「走る」から派生した比喩ですが、into の「衝突・侵入」と through の「貫通・通過」というイメージの違いが意味を分けます。
| 熟語 | 中心の意味 | 典型的な目的語 |
|---|---|---|
| run into | 偶然出会う/(困難に)ぶつかる/衝突する | an old friend/trouble, debt/a wall |
| run through | 素早く目を通す・練習する/(性質が)一貫して現れる/使い切る | a list, a script/a theme/money |
run into の使い分け
run into の最も日常的な意味は「思いがけず人に会う」(bump into と同義)で、"I ran into my old classmate at the station." のように使います。もう1つの用法は「困難・問題に直面する」(run into trouble, run into debt)、さらに文字どおり「衝突する」(the car ran into a wall)にも使われます。共通するのは「進んでいる途中で、何かに不意にぶつかる」イメージです。
run through の使い分け
run through には「(リストや台本などを)一通り確認する・練習する」(let's run through the presentation once more)という意味があります。また「(ある性質・特徴が)作品や状況の隅々に一貫して現れる」(a sense of humor runs through his writing)、「(お金などを)使い切ってしまう」(he ran through his inheritance in two years)という意味もあります。
使い分けの手がかり
run into は encounter unexpectedly/collide with に置換でき、「不意の遭遇・衝突」を表します。run through は go over quickly/be present throughout/use up に置換でき、「始めから終わりまで一通り進む・貫く」動作を表します。前者は一瞬の出来事、後者は始めから終わりまでの過程という時間感覚の違いでも区別できます。
なぜ直訳で読み解けないか
into は「内部へ突入する」イメージなので、run into は進行中に何かの中へ突っ込む=偶然の遭遇や衝突を表します。through は「入口から出口まで貫通する」イメージなので、run through はリストや台本を最初から最後まで一気に確認する・お金を使い切るという「通過し尽くす」意味に広がります。
よくある誤用
I ran through my old teacher yesterday.(誤)。偶然出会ったのは run into。run through に「人と出会う」の意味はありません。We ran into the whole presentation before the meeting.(誤)。発表を通しで確認したのは run through。run into は一瞬の出来事に使い、通し練習のような継続的な動作には使いません。まとめ
- run into=偶然出会う/困難にぶつかる/衝突する(encounter unexpectedly)
- run through=一通り目を通す・練習する/性質が一貫して現れる/使い切る
- run into は一瞬の不意の出来事、run through は始めから終わりまでの過程
- into=突入する、through=貫通する、という前置詞イメージの違いが核
確認クイズ(抜粋)
Q1. 空所に入る適切な語はどれですか。「I ( ) an old friend from college at the airport yesterday.」
A. ran into
Q2. 空所に入る適切な語はどれですか。「Let’s ( ) the main points one more time before the meeting.」
A. run through
Q3. 空所に入る適切な語はどれですか。「The project ( ) serious funding problems last month.」
A. ran into
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