run over と run up
同じ run でも over は「車で轢く・時間を超過する・ざっと目を通す」、up は「借金を増やす・急いで近づく」。あふれ出るか、積み上がるかの違いです。
あふれ出る方向か、積み上がる方向か
run over と run up はどちらも多義的な熟語ですが、run over は「限度を超えてあふれ出る」方向、run up は「量や勢いが積み上がる」方向のイメージで整理できます。
- run over … 車で人や物を轢く、予定時間を超過する、内容にざっと目を通す。
- run up … 借金や金額を増やす・積み上げる、人や場所に急いで近づく。
| 熟語 | 中心の意味 | 典型的な目的語 |
|---|---|---|
| run over | 轢く/時間超過する/ざっと目を通す | a pedestrian(轢く)/ time, the schedule(超過)/ one's notes(目を通す) |
| run up | 借金・費用を増やす/急いで近づく | a large bill, huge debts/ a set of stairs |
run over の使い分け
run over の最も基本的な意味は「車が人や物の上を通って轢く」で、"He was run over by a bus." のように受動態でもよく使われます。そこから「液体が容器からあふれ出る」、「予定時間を超過する」(The meeting ran over by twenty minutes.)、「原稿や台本にざっと目を通す」(run over one's lines before the show)という意味に広がりました。いずれも「決められた枠を越えてあふれ出る」というイメージで共通しています。
run up の使い分け
run up は「借金や請求額が積み上がっていく」という意味が代表的で、"They ran up huge debts on their credit cards." のように使われます。物理的に「駆け寄る・駆け上がる」(run up the stairs)という意味もあり、こちらは「勢いをつけて上へ・前へ進む」イメージです。どちらも「徐々に、あるいは勢いよく積み重なる・近づく」という共通点があります。
なぜ直訳で読み解けないか
over は「境界・枠を越えてあふれる」イメージ、up は「下から上へ積み上がる」イメージを運びます。run over は「決められた枠(時間・道路の上)を越えてあふれ出る」、run up は「金額や勢いが下から上へ積み上がっていく」という、あふれる方向と積み上がる方向の違いがそのまま意味の違いになっています。
よくある誤用
The meeting ran up by twenty minutes.(誤)。会議が時間超過したなら run over。run up は借金や勢いが積み上がる意味なので、時間超過には使いません。He ran over a huge phone bill while traveling abroad.(誤)。高額請求を積み上げたなら run up。run over に「費用を増やす」の意味はありません。まとめ
- run over=車で轢く、予定時間を超過する、原稿などにざっと目を通す
- run up=借金・費用を積み上げる、階段などを駆け上がる・急いで近づく
- over は枠を越えてあふれるイメージ、up は下から上へ積み上がるイメージ
- 時間超過は run over、借金の増加は run up(混同しやすいので要注意)
確認クイズ(抜粋)
Q1. 空所に入る適切な語はどれですか。「Sorry, the interview ran ( ) by ten minutes.」
A. over
Q2. 空所に入る適切な語はどれですか。「They ran ( ) a huge bill during their vacation abroad.」
A. up
Q3. run over の意味として適切でないものはどれですか。
A. 借金を積み上げる
全5問はサイトのインタラクティブ版でお試しください。
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