油堀川跡と首都高速9号深川線、高架の下に残る川幅
頭上を走る高速道路の高架が、消えた運河の川幅そのものをなぞっている。
深川で運河の痕跡が最もはっきり見える場所の一つが、門前仲町付近を通る首都高速9号深川線の高架下である。
油問屋が並んだ川
油堀川は、隅田川から木場方面へ東西に通じていた運河で、両岸に油問屋が集まっていたことからこの名がついた。物資輸送を担う水路として長く使われてきたが、昭和50年(1975年)ごろに埋め立てが完了し、水路としての役目を終えた。
高架がなぞる、かつての川幅
水路が姿を消したあと、昭和55年(1980年)2月に、その跡地の上に首都高速9号深川線が開通した。高架の柱が等間隔で並ぶ細長い日陰の敷地(油堀川公園など)は、単なる道路の残地ではなく、かつて水が流れていた川幅そのものだ。高架を見上げたときの「なぜこんなに真っ直ぐ、こんな幅で道路や高架が通っているのか」という違和感こそが、この場所が運河の跡であることを教えてくれる。
道路や公園の形から水路の記憶を読み取るという意味で、油堀川跡は深川の街歩きの中でも特に分かりやすい例だ。