深川江戸資料館に見る、水路に面した町の暮らし

運河がまだ生きていた頃、人と物資はどう行き交っていたのか。

公益財団法人江東区文化コミュニティ財団が運営する深川江戸資料館(江東区白河1丁目)は、江戸時代末期(天保年間ごろ)の深川佐賀町の町並みを実物大で再現した展示施設である。

なぜ佐賀町が選ばれたのか

佐賀町は、隅田川の河口と小名木川の合流点に近く、大型の廻船が直接接岸できる水運の最前線だった。表通りには肥料問屋や土蔵が立ち並び、掘割には客を運ぶ猪牙舟(ちょきぶね)や船宿が浮かんでいた。資料館の展示は、この「水路に面した大規模な物流」と、その裏手に広がる長屋の生活空間という、深川という街の二層構造を実寸で見せている。

前の記事とのつながり

仙台堀川や古石場川、油堀川の跡を歩いて「かつてここに水路があった」と頭では分かっても、その水路が実際にどう使われていたかを想像するのは難しい。深川江戸資料館は、その空白を埋めてくれる場所だ。表通りの土蔵と裏長屋の対比を見たあとで運河跡を歩くと、道の広さの意味がより具体的に感じられるはずだ。

出典

← 記事一覧に戻る