ガジュマルとペットの安全性|ASPCAが示すイチジク属の毒性

最終更新: 2026年6月23日

ガジュマルは、犬や猫に「無害」と書かれることがある。しかし、この通説は正確ではない。ガジュマルが属するイチジク属には、ペットへの毒性が報告されている種がある。

「無害」という通説は正確ではない

日本の一部の園芸情報では、ガジュマルを犬や猫に無害とすることがある。一方で、米国動物虐待防止協会(ASPCA)は、イチジク属の Ficus benjamina(和名でいうベンジャミン、ガジュマルと同じイチジク属)を、犬と猫、馬に有毒な植物として挙げている。

ガジュマル(Ficus microcarpa)そのものをASPCAが個別に評価しているわけではない。ただし同じイチジク属であり、切ると同じように白い樹液を出すことから、「完全に無害」と言い切るのは正確ではない。ペットと暮らす家庭では、安全側に立って扱うのがよい。

ASPCAが示す毒性

ASPCAは、Ficus benjamina の毒性成分として、タンパク質分解酵素のフィシン(ficin)と、ソラレンの一種であるフィクシン(ficusin)を挙げている。症状としては、消化器と皮膚の刺激を挙げている。

項目ASPCAの記載
対象とされる動物犬、猫、馬
毒性成分フィシン(ficin)、フィクシン(ficusin)
報告される症状消化器と皮膚の刺激

ここで一つ、よくある取り違えを正しておきたい。

ガジュマルの刺激成分は、不溶性シュウ酸カルシウムではない。シュウ酸カルシウムの針状結晶は、モンステラやポトスなど別のグループの植物がもつ成分であり、イチジク属の毒性とは別物である。両者を混同しないよう、ここでは出典どおりにフィシンとフィクシンを挙げる。

犬や猫が口にしたとき

ASPCAが挙げる症状は、消化器と皮膚の刺激である。葉や樹液を口にした場合、よだれや口の不快感、嘔吐や下痢などがみられることがある。

症状の重さや必要な処置は、量や個体によって変わる。家庭で無理に吐かせようとせず、ようすがおかしいときは、かかりつけの獣医師に連絡して指示を仰ぐのが安全である。米国ではASPCAの動物中毒管理ホットラインがあり、専門家への相談がすすめられている。本サイトの記述は、獣医師の診断や指示に代わるものではない。

樹液と人の肌

ガジュマルを切ると出る白い樹液は、人の肌にも刺激になることがある。剪定や植え替え、挿し木で枝を切るときは、樹液が肌につかないように気をつけ、ついたら水で洗い流す。肌の弱い人は手袋を使うとよい。目に入った場合は、水で十分に洗い、刺激が続くようなら眼科で相談する。

置き場所の工夫

確実なのは、ペットや小さな子どもが葉や樹液に触れられない場所に置くことである。

  • 棚の上やつり鉢など、届かない高さに置く。
  • 剪定で出た葉や枝を、床に置きっぱなしにしない。
  • 鉢が倒れて土を口にしないよう、安定した場所に置く。

「ガジュマルは無害だから大丈夫」という思い込みを手放し、触れさせない置き方を選べば、ペットと無理なく共存できる。

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