見どころ
赤レンガ図書館とスターハウス——軍需施設の戦後
弾丸工場は図書館に、団地は博物館になった。
弾丸工場から図書館へ
北区立中央図書館(王子本町・中央公園内)は、大正8年(1919年)に建てられた旧陸軍の弾丸製造工場の建物を保存・活用した図書館である。イギリス積みの赤レンガ壁とトラス構造の骨組みをそのまま生かし、2008年6月28日に移転・リニューアルオープンした。館内には、当時の動力伝達シャフトを固定していた金具の跡や、八幡製鉄所製とみられる鋼材、製造年代による煉瓦の色の違いなど、工場だった時代の痕跡が随所に残されている。
この保存活用は高く評価され、2009年度グッドデザイン賞、2011年には日本図書館協会建築賞を受賞した。1階には、晩年に北区西ケ原へ移り住み北区名誉区民となった日本文学研究者ドナルド・キーンの蔵書・資料を展示する「ドナルド・キーンコレクションコーナー」も常設されている。
スターハウスを保存する「URまちとくらしのミュージアム」
軍需施設のもう一つの戦後の姿が、赤羽台にある。かつての陸軍施設跡地には、昭和37年(1962年)に日本住宅公団(現・UR都市機構)による「旧赤羽台団地」が建設された。3方向に外気と日光を取り込むY字型の住棟「スターハウス」は、戦後の住宅史を象徴する建築として知られる。
団地の一部が建て替えられる中、スターハウスを含む保存住棟4棟は国の登録有形文化財となり、令和5年(2023年)9月15日、「URまちとくらしのミュージアム」として一般公開が始まった。見学は完全予約制で、1日3回(10時・13時・15時)のツアー形式(各回定員20名・所要約1時間30分)、水曜・日曜・祝日は休館となっている。復元された2DKの室内には、ステンレスの流し台や水洗トイレ、当時最新鋭だったプレキャストコンクリートのバルコニーが再現されている。
出典
- 北区立図書館公式サイト・Wikipedia「北区立中央図書館」(開館日・受賞歴を確認)
- UR都市機構公式サイト「URまちとくらしのミュージアム」(開館日・予約制の詳細を確認)