名物・食
扇屋の玉子焼きと、参道の和菓子
王子稲荷の門前で愛されてきた、二つの名物。
王子稲荷の門前を彩った玉子焼き
王子稲荷神社の門前には、かつて「扇屋」という料理屋があり、名物の玉子焼きで知られていた。落語「王子の狐」は、人を化かす狐が扇屋で一杯食わされ、勘定を押しつけられるという滑稽噺で、上方の「高倉狐」という演目を、明治期に初代三遊亭圓右が扇屋を舞台に翻案・改題したものとされる。史実の逸話ではなく、あくまで創作の落語だが、扇屋という店の存在自体は実在した老舗である。
日光御成街道沿いの和菓子文化
王子から西ケ原へ続く日光御成街道(現在の本郷通り)沿いは、江戸期から飛鳥山への行楽や社寺参詣の休憩地として、和菓子文化が根付いた場所である。今も「平塚亭 つるおか」など、団子や煎餅を商う老舗が街道沿いに営業を続けている。作家・内田康夫の「浅見光彦シリーズ」では、主人公の自宅設定が北区西ケ原・王子周辺に置かれ、作中にこの「平塚亭」が実名で登場することでも知られる。
出典
- 複数媒体による扇屋・落語「王子の狐」の紹介記事
- 複数媒体による日光御成街道沿いの老舗・浅見光彦シリーズとの関連の紹介記事