見どころ
名主の滝——王子七滝、唯一残った記憶
『江戸名所図会』にも描かれた七つの滝のうち、今も水が湧くのは一つだけ。
音無川が刻んだ七つの滝
石神井川下流は、中世の熊野・若一王子勧請にちなんで「音無川」とも通称された。この川が刻んだ崖線からは、かつて男滝・女滝・独鈷の滝・不動の滝・金輪の滝・見晴の滝・名主の滝という「王子七滝」が湧き出しており、『江戸名所図会』にも描かれる名所だった。近代の都市化と河川改修によって大半が失われ、現存するのは「名主の滝」だけである。
名主が開いた滝、いま工事で水は止まる
名主の滝は、王子村の名主だった畑野孫八が自邸に開いた滝が起こりとされ、現在は北区立名主の滝公園(岸町1丁目)として整備されている。公園内でもっとも大きい男滝は、現在は地下水をポンプで循環させる人工の滝である。令和7年(2025年)8月4日から令和10年(2028年)3月末まで、再生整備工事のため男滝は運転を停止している。この期間に訪れても、滝の水が流れていない点に注意が必要である。
出典
- 北区公式サイト「名主の滝公園」(男滝の運転停止期間)