名物・食

扇屋の玉子焼き——慶安元年創業、落語の舞台になった老舗

掛茶屋から料理屋へ、そして玉子焼き専門店へ。375年余り続く王子稲荷門前の味。

掛茶屋から料理屋へ

王子稲荷神社の門前にある「扇屋」は、慶安元年(1648年)、弥左ェ門という人物が掛茶屋として創業したと伝わる老舗である。約150年後の寛政11年頃(1799年頃)に料理屋へと転身し、この料理屋時代に、名物の玉子焼きで知られるようになった。

落語「王子の狐」の舞台

扇屋を舞台にした落語「王子の狐」は、若い娘に化けた狐を見かけた男が、逆に狐をだまそうと扇屋へ誘い込み、飲み食いさせて寝入ったところへ、土産の玉子焼きだけ持って立ち去るという滑稽噺である。史実の逸話ではなく創作の落語だが、扇屋という店の存在自体は実在した老舗であり、現在も玉子焼き専門店として、落語に登場したのと同じ味を商っている。通常商品は厚焼き玉子だが、より江戸時代のレシピに近いとされる「釜焼玉子」は予約制で扱われている。

出典
  • 扇屋公式サイト「王子の狐」

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