チョークとは?成分と「黒板に書けるしくみ」
毎日のように見かけるのに、意外と知らない「チョーク」。何でできていて、なぜ黒板に文字が書けるのでしょう?このページでは、チョークの主成分の違いと、書けるしくみ(粉が黒板に移るしくみ)を、はじめての人にも分かるようにまとめます。
チョークは白い鉱物(こうぶつ)の粉をかためた棒。こすると粉が黒板の小さなデコボコにくっついて、文字になるよ。
チョークは何でできている?
学校でおなじみの白いチョーク(白墨)は、大きく分けて2種類の材料からできています。ひとつは 炭酸カルシウム(たんさんカルシウム=石灰石や貝殻の主成分)、もうひとつは 石膏(せっこう=硫酸カルシウム)です。
どちらも白くて、粉になりやすく、人体に比較的やさしい鉱物(こうぶつ)です。チョークはこの粉を固めて、細い棒の形にしたもの。だから力を加えて黒板にこすりつけると、表面が少しずつ削れて粉になり、文字として残ります。
色チョークの場合は、この白い土台に 顔料(がんりょう=色のもとになる粉)を混ぜて作ります。赤・青・黄・緑など、目的に合わせて配合を変えています。
なぜ黒板に書けるの?
「チョークで書ける」のは、魔法でもインクでもなく、摩擦(まさつ)でチョークが削れて、その粉が黒板の表面にひっかかって残る からです。
黒板の表面は、つるつるに見えても顕微鏡(けんびきょう)で見ると細かいデコボコがあります。チョークをこすりつけると、やわらかいチョークのほうが削れて、削れた粉がそのデコボコに入り込んで定着します。鉛筆が紙の繊維に黒鉛をこすりつけるのと、よく似た原理です。
つるつるしすぎた面(ガラスや金属)にはチョークが定着しにくく、逆にザラザラした黒板やコンクリートにはよく書けます。これは「相手の表面のザラつき」が書きやすさを左右しているからです。
書いた文字を黒板消しでこすると、ひっかかっていた粉が浮いて落ちるので、文字が消えます。つまりチョークは「のせて・はがす」を繰り返せる、とても扱いやすい筆記具なのです。
炭酸カルシウム製と石膏製のちがい
同じ白いチョークでも、主成分によって書き味や粉の出方が変わります。
| 種類 | 主成分 | 特徴 |
|---|---|---|
| 炭酸カルシウム製 | 炭酸カルシウム | 粒がぎゅっと詰まっていて折れにくく、細い字も書きやすい。粉が垂直に落ちやすく散らかりにくい |
| 石膏製 | 硫酸カルシウム(石膏) | やわらかく太い字を書きやすいが、粒が粗く軽いため粉が舞いやすい |
粉が散らかりにくい炭酸カルシウム製は「ダストレスチョーク」とも呼ばれ、今の学校で広く使われています。くわしい種類の話は チョークの種類 のページで紹介します。
チョークの作り方(どうやって棒の形にするのか)は チョークの作り方 のページで、図解とともに順を追って説明します。
黒板とチョークのはじまり
黒板に大きく書いて、一度にクラス全員へ教える――そんな授業のやり方は、19世紀ごろに広まったとされています。それまで一人ひとり別々に教えていた現場にとって、大きな黒板はちょっとした革命でした。
日本には、明治時代に学校の教育制度とともに黒板とチョークが伝わったといわれています。はじめは持ち運べる小さな黒板でしたが、やがて壁に固定された大きなものへと変わっていきました。チョークもまた、天然の白い岩(白亜)を削ったものから、材料を成形して作る今のチョークへと進化してきました。チョークの歴史をたどると、白亜と白亜紀 の物語にもつながっています。
まとめ
- チョークの主成分は 炭酸カルシウム か 石膏(硫酸カルシウム)。
- 書けるのは「摩擦で削れた粉が、黒板表面のデコボコにひっかかる」から。
- 炭酸カルシウム製は折れにくく粉が散りにくい(ダストレス)、石膏製はやわらかく太字向き。
まずは「チョーク=白い鉱物の粉を固めた棒」とイメージできればOKです。
よくある質問
Q. チョークは食べても大丈夫?
A. 主成分の炭酸カルシウムは身近な鉱物ですが、チョークは食べ物ではありません。誤って少量口に入れても重い害が出にくいように配慮された製品もありますが、口に入れないのが基本です。
Q. なぜガラスや金属には書けないの?
A. チョークは「削れた粉が相手の表面のデコボコにひっかかって残る」しくみです。つるつるのガラスや金属はひっかかりが少ないため定着せず、ザラついた黒板にはよく書けます。
Q. 炭酸カルシウム製と石膏製はどう違うの?
A. 炭酸カルシウム製は粒が詰まっていて折れにくく、細い字も書きやすく、粉が散りにくい(ダストレス)のが特徴。石膏製はやわらかく太い字を書きやすい一方、粒が粗く軽いため粉が舞いやすい性質があります。