主なメンタルヘルス不調の知識
うつ病・適応障害・不安障害・バーンアウトなど主な精神的な不調を学びます。
このモジュールで学ぶこと
ストレスが蓄積し適切に対処されないと、心の不調として現れることがあります——このモジュールでは、職場でよく問題になるメンタルヘルス不調の種類と特徴を学びます。正確な知識を持つことは、自分自身の状態に気づくことにも、周囲の人への適切な対応にもつながります。
うつ病
「最近、あの人元気がないな」「何を頼んでも反応が薄くなった」——こんなとき、「本人の気持ちの問題だろう」と片付けてしまっていないでしょうか。しかし、それはうつ病のサインかもしれません。
うつ病は「気の持ちよう」や「意志の弱さ」ではなく、治療が必要な脳の病気です。主な症状は2週間以上持続する次のようなものです。
コア症状(中核症状)
持続的な抑うつ気分(悲しみ、空虚感、絶望感)
興味・喜びの著しい減退(好きなことが楽しめない)
付随症状
睡眠障害(眠れない、逆に眠り過ぎ)
食欲の変化(減退または増加)
疲労感・気力の減退
集中力・判断力の低下
自責感・罪悪感
死についての考え(希死念慮)
試験ポイント: うつ病の方への「頑張れ」「気合いを入れろ」といった励ましは逆効果になることがあります。うつ病は「休養が必要な病気」であり、さらなるプレッシャーは症状を悪化させます。
注意: 自殺・自傷の言動・示唆があった場合は、決して一人で抱え込まず、速やかに専門家(産業医・精神科・相談機関)につなぎましょう。
適応障害
うつ病との違いを理解することが試験のポイントです——「あの転勤から急につらくなった」「部署が変わってから眠れない」というように、原因がはっきり特定できる場合は適応障害が疑われます。
適応障害とは、特定のストレッサー(転勤・部署異動・職場での出来事など)への反応として生じる情緒的・行動的な症状で、ストレッサー発生から3ヶ月以内に発症するとされています。
うつ病との主な違い
ストレッサーが特定できる(「あの出来事から辛くなった」)
ストレッサーが除去されると症状が改善する傾向がある
うつ病と異なり、すべての場面で気分が落ち込むわけではない
放置するとうつ病に移行するリスクがある
試験ポイント: 適応障害の治療の中心は「ストレッサーの特定と環境調整(原因への対処)」です。職場環境を変えることが回復の近道になることが多いです。
不安障害(不安症)
「会議でプレゼンがあると思うと前夜から眠れない」「電車の中で突然動悸がして死ぬかと思った」——こうした経験が繰り返され、日常生活に支障をきたす場合、不安障害が疑われます。
不安障害(不安症)とは、不安や恐怖が過剰または持続的に生じる精神疾患の総称です。職場でよく見られるのは次のようなものです。
パニック障害:突然の強烈な恐怖発作(動悸・呼吸困難・死の恐怖など)が繰り返される
社交不安障害(社交恐怖):人前でのプレゼンや会食への強い恐怖
全般性不安障害(GAD):様々なことへの持続的な過剰な心配
バーンアウト(燃え尽き症候群)
以前は誰よりも熱心に働いていた先輩が、最近なぜか無気力で、顧客への対応も投げやりになっている——こんな変化を見たことはありませんか?これはバーンアウト(燃え尽き症候群)のサインかもしれません。
バーンアウトとは、もともと仕事への意欲・熱意が高かった人が、過剰な労働や報われない状況が続くことで精神的に燃え尽きた状態です。研究者マスラックは3つの要素でこれを説明しています。
マスラックの3要素
情緒的消耗感:仕事による精神的エネルギーの枯渇
脱人格化:他者(同僚・顧客)への冷淡な態度や感情の麻痺
個人的達成感の減退:「どうせやっても無駄だ」という感覚
試験ポイント: バーンアウトは「やる気のなかった人」ではなく、むしろ「熱心に頑張っていた人」に起きやすい点が特徴です。
その他の主な精神疾患
不調には、うつ病・適応障害・不安障害・バーンアウト以外にも職場で注意すべきものがあります。名称と主な特徴を押さえておきましょう。
統合失調症
ある日突然、同僚が「誰かに監視されている」と言いだしたり、独り言が増えたりした——こうした言動の急変は統合失調症のサインの可能性があります。思考・知覚・感情・行動の統合が乱れる精神疾患で、幻覚(幻声)や妄想、思考の障害が主な症状です。早期発見・専門機関への受診が重要です。
アルコール・薬物関連の問題
ストレスへの不適切な対処としてアルコールや薬物に依存するようになることがあります。職場での兆候(遅刻・欠勤・ミスの増加・昼休みの飲酒など)を見逃さないことが重要です。
試験ポイント: 各疾患の特徴を混同しないよう整理することが重要です。特にうつ病(ストレッサーが特定しにくい・全般的な抑うつ)と適応障害(ストレッサーが特定できる・除去で改善)の違いは頻出です。
確認クイズ(抜粋)
Q1. うつ病の特徴として最も適切なものはどれか。
A. 意志の弱さによるものではなく、治療が必要な脳の病気である
Q2. うつ病の方への対応として不適切なものはどれか。
A. 「頑張れ、気合いだ」と励ます
Q3. 適応障害とうつ病の違いとして最も適切なものはどれか。
A. 適応障害には特定のストレッサーがあり、それが除去されると改善する傾向がある
全10問のクイズはサイトのインタラクティブ版でお試しください。
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