潮汐と高潮・津波の違い|似た海面上昇をどう見分けるか

最終更新: 2026年7月23日

海面が上がる現象には、規則的な潮汐のほかに、災害を起こす高潮と津波があります。三つは原因が異なり、見分け方を知ることが安全につながります。

三つの違い

潮汐、高潮、津波は、いずれも海面が上がる現象ですが、原因も周期も予測のしやすさも異なります。

項目潮汐(天文潮)高潮(たかしお)津波
原因月と太陽の起潮力台風や低気圧の気圧低下と強風海底の地震や地殻変動
周期約12時間25分で規則的数時間から数日数分から数十分で不規則
予測数年先まで計算できる数日前からある程度予測発生の日時は事前に予測できない

高潮とは

高潮(たかしお)は、台風や発達した低気圧が近づいたときに、海面が異常に高くなる現象です。気圧が下がって海面が吸い上げられる効果と、強い風が海水を岸へ吹き寄せる効果が重なって起こります。天文的に計算した潮位よりも実際の潮位が大きく上がった状態にあたります。

実際に観測した潮位から、天文的に計算した潮位(天文潮位)を引いた差を潮位偏差といいます。高潮のときは、この潮位偏差が大きな正の値になります。気象庁は、この天文潮位と実測潮位、潮位偏差を公開しており、高潮の監視に使われています。

満潮の別名である「高潮(こうちょう)」とは読みも意味も異なります。災害の高潮は「たかしお」と読みます。

津波とは

津波は、海底の地震や海底火山、海底の地滑りなど、急激な地殻変動によって起こります。海面から海底までの水の柱全体が動くため、波長が数十から数百キロメートルに達します。ふつうの波と違って、引き波がないまま長い時間くり返し押し寄せることがあります。そのため、海の近くで強い揺れを感じたら、警報を待たずに高い場所へ避難することが大切とされています。津波は、第一波より後の波のほうが大きいこともあります。

三つを見分けるうえで手がかりになるのが、規則正しさです。潮汐は数年先まで時刻を計算できるほど規則的ですが、高潮は台風とともに数日前から近づき、津波は突然にやってきます。ふだんの潮の満ち引きと様子が違うと感じたら、災害の可能性を頭に置いておきたいところです。

副振動(あびき)

高潮や津波とは別に、湾や港で海面が数分から数十分の周期で上下をくり返す現象があります。これを副振動(ふくしんどう)といいます。長崎湾で起こるものは、古くから「あびき」と呼ばれ、三十分から四十分ほどの周期で潮位が上下します。

気象庁によれば、副振動は、台風や低気圧などがもたらした海面の変動が、湾のもつ固有のゆれの周期と共鳴して大きくなることで起こります。湾の中の海水が、器を傾けて戻したときのように、しばらく行き来をくり返します。大きな干満差を生む有明海の共振と同じで、湾の形がもつ固有の周期が鍵をにぎっています。

副振動は、地震がなく、天気の穏やかな日にも突然起こることがあり、予測が難しいものです。振幅が大きいと、急な潮位の変化と速い潮流によって、港につないだ小さな船が転覆したり、係留したものが流されたりする被害が出ることがあります。

重なると危険が増す

高潮や津波が、大潮の満潮の時刻に重なると、もともと高い海面にさらに上乗せされ、堤防を越えるなど被害が大きくなりやすくなります。潮汐そのものは災害ではありませんが、災害の高潮や津波と重なる可能性を頭に置いておくことが大切です。避難の判断は、気象庁や自治体の情報に従ってください。

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