潮汐表と基準面の読み方|潮位はどこから測るか
潮汐表に並ぶ潮位の数字は、ある基準の高さからの海面の高さを表します。基準がいくつもあるため、何を基準にした値かを知ると読み違えを防げます。
潮位はどこから測るか
潮位(潮高)は、ある基準面からの海面の高さをセンチメートルで表したものです。潮汐表で広く使われる基準が最低水面(DL)で、平均的な海面から、主要な四つの分潮(M2、S2、K1、O1)の振幅を足した分だけ低くした面にあたります。潮位がこれ以上はほとんど下がらない、低い側の目安の面です。
この四つの分潮は、月と太陽がおよそ半日や一日の周期で及ぼす、代表的な潮の成分です。実際の潮の動きは、周期の異なるいくつもの波が重なったものですが、この主要な成分を合わせると、その土地の潮の動きの大きな筋がつかめます。
潮位の基準面(模式図)。海図の水深や潮位は最低水面(DL)を起点に測ります。実際の水深は、海図の水深にそのときの潮位を足したものになります。
いろいろな基準面
基準面には用途ごとにいくつかの種類があります。
| 基準面 | 意味 |
|---|---|
| 最低水面(DL) | 海図の水深や潮位を測る起点。潮位がほぼ下がりきる低い面 |
| 平均水面(MSL) | ある期間の海面の平均の高さ |
| 東京湾平均海面(T.P.) | 全国の土地の標高0mの基準 |
| 略最高高潮面(N.H.H.W.L.) | 天文的な要因で海面が上がる上限の目安 |
海図の水深と実際の水深
海図に書かれた水深は、最低水面(DL)から測った値です。実際にその場所にある水の深さは、海図の水深に、そのときの潮位を足したものになります。潮が満ちていれば海図の数字より深く、引いていれば浅くなります。浅瀬を船で通るときに欠かせない考え方です。この関係を知らずに海図の数字だけを見ると、潮が引いたときに浅瀬へ乗り上げる危険があります。
潮汐表はどこで見るか
潮汐表は、官公庁が精度の高い推算を公開しています。
- 気象庁は、天文的に計算した潮位(天文潮位)や実際に観測した潮位、その差である潮位偏差を、防災の観点からリアルタイムに公開しています。
- 海上保安庁 海洋情報部は、港ごとの高い精度の潮汐表を公式に提供しています。
潮汐表には、その日の満潮と干潮の時刻や潮位が、港ごとに示されています。これを読めば、いつ潮が大きく引くか、いつ満ちるかを前もって知ることができます。数値は基準面からの高さなので、何を基準にした値かをあわせて確かめると、読み違えを防げます。
本サイトのトップに示す潮回りは、月の満ち欠けにもとづく全国共通の目安です。特定の場所の満干の時刻や潮位を知りたいときは、上記の潮汐表を使ってください。
なぜ数年先まで分かるか
潮汐表は、何年も先の満潮や干潮の時刻まで載せています。天気予報が数日先までなのに、なぜ潮はそこまで見通せるのでしょうか。
理由は、潮の動きが天体の運行という規則正しいくり返しでできているからです。気象庁の解説によれば、潮汐を起こす力は月と太陽の引力の効果で、その運動の大部分は周期的です。この力は、周期の異なるいくつもの三角関数(波)の足し合わせとして表せます。一つひとつの波が潮の型と日潮不等で触れた分潮であり、それぞれの波の大きさとずれ(位相)を表す値を調和定数といいます。
各港では、実際に観測した潮位から、その場所の調和定数が求められます。気象庁は、潮汐表の天文潮位を六十の分潮の調和定数を使って計算しています。分潮の周期は天体の運行から決まっているため、調和定数さえ分かれば、未来のどの時刻の潮位も足し合わせて計算できます。潮汐表が何年も先まで示せるのは、このためです。ただし実際の海面には、これに高潮などの気象の影響が加わるため、荒天のときは推算とずれることがあります。