地域で違う干満差|有明海はなぜ大きく日本海はなぜ小さいか
最終更新: 2026年7月2日
起潮力は地球全体になだらかに働くが、実際の干満差は場所によって大きく違う。海の地形や深さ、湾の共振が、潮の大きさを左右する。
干満差は場所で大きく違う
同じ日の同じ大潮でも、干満差は海域によって大きく異なる。海上保安庁などの資料をもとにした目安は次のとおりである。
| 海域 | 干満差の目安 |
|---|---|
| 有明海(九州) | 最大で約6m(国内最大) |
| 太平洋側 | 約2m |
| 日本海側 | 約0.4m(30〜40cm程度) |
有明海が大きい理由
有明海は、国内で最も干満差が大きい。海上保安庁の解説によれば、細長い湾が持つ固有の振動の周期が、外海から入ってくる潮の波の周期に近いため、湾の中で潮の動きが共振して増幅される。さらに湾の奥ほど浅くなっていくため、潮の波が上へ押し上げられ、干満差がいっそう大きくなる。
湾の形は、干満差に細かく効いてくる。有明海では、湾を締め切る工事のあとに湾の固有の周期が変わり、潮の動きに影響が出たとする報告もある。地形のわずかな違いが、潮の大きさを左右することがうかがえる。
日本海が小さい理由
日本海側の干満差は小さい。日本海は、対馬海峡や津軽海峡など、狭く浅い海峡を通してしか外の海とつながっていない、半ば閉じた海である。外から潮の波が入りにくく、海そのものの水の量に対して出入りが限られるため、干満差は大潮でも数十センチにとどまる。干満差が小さいと、大きく潮が引く潮干狩りはしにくい。同じ日本でも、面している海によって潮とのつき合い方は変わってくる。
理論と実際のずれ
月が真南に来た瞬間に満潮になる、という単純な理論(平衡潮汐論)は、潮汐の入り口としては分かりやすい。しかし実際には、海水が動くのに時間がかかるため、月の南中から満潮までには数時間のずれが生じる。海の深さや地形によって、このずれの大きさも場所ごとに変わる。だからこそ、実際の満干の時刻は場所ごとの潮汐表で確かめる必要がある。