債権・債務と契約の解除
債務不履行の3類型、損害賠償、契約解除の要件と効果、連帯債務・保証を学びます。
取引先が約束を守らなかったら
商品を注文したのに納期通りに届かない、届いた商品が粗悪だった、代金を払ってもらえない。こうした状況が「債務不履行」です。債権者(権利を持つ側)はどのような対応ができるのかを理解することが、ビジネスリスク管理の基本です。
債務不履行の3類型
「約束が守られなかった」といっても、状況は様々です。類型によって解除の手続きが変わります。
損害賠償の範囲:通常損害と特別損害
債務不履行があった場合、債権者は損害賠償を請求できます。損害賠償は金銭賠償が原則です。
特別損害に予見可能性が必要なのは、無制限の賠償責任が生じると経済活動が萎縮するからです。「損害賠償額の予定」(あらかじめ額を合意しておくこと)も有効です。
契約解除の要件と効果:催告解除と無催告解除
損害賠償で補填するのではなく、契約自体をなかったことにしたい場合の手続きです。
解除の効果として、契約は遡及的に消滅し、双方に原状回復義務(受け取ったものを返還する義務)が発生します。また、解除と損害賠償請求は併用できます。
連帯債務:複数人が同じ債務を負う場合
複数の債務者が各自、全額の弁済義務を負います。債権者はどの債務者にも全額を請求できます。これにより債権者の回収可能性が高まります。
保証:単純保証と連帯保証の違い
主たる債務者が弁済しない場合に保証人が代わりに弁済する制度です。保証契約は書面(または電磁的記録)によらなければ無効です。これは保証人を保護するための強行規定です。
連帯保証人は「補充的に責任を負う」のではなく、「主たる債務者と同じ立場で全額責任を負う」と理解してください。融資の場面でほぼ必ず使われる重要な制度です。
確認クイズ(抜粋)
Q1. 債務不履行の3類型に含まれないものはどれか。
A. 債権放棄
Q2. 特別損害が損害賠償の対象となる要件として正しいものはどれか。
A. 当事者が予見できた(または予見すべきだった)場合に賠償対象となる
Q3. 催告解除について正しいものはどれか。
A. 相当期間を定めて催告し、それでも履行がない場合に解除できる
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