消費者保護法(消費者契約法・特定商取引法)
消費者契約法の不当条項・不当勧誘、特定商取引法のクーリングオフを学びます。
なぜ消費者保護が必要か
自宅に突然訪問してきた業者に「今日だけの特別価格」と勧められ、よく分からないまま高額な布団セットを契約してしまった。業者はその商品を毎日売り続けているプロですが、消費者は初めての購入です。情報量・交渉力に圧倒的な格差があります。
この格差を是正するため、民法の特則として消費者保護法が整備されています。民法では「自由に合意した契約は有効」が原則ですが、消費者保護法はその原則を修正し、「おかしな勧誘や条項から消費者を守る」仕組みを用意しています。
消費者契約法:不当な勧誘・条項から守る
情報格差の問題が分かりました。消費者契約法は具体的にどんな「おかしな勧誘・条項」を規制しているのでしょうか。
消費者契約法は「事業者と消費者の間の契約」に適用されます(事業者間取引には適用されない点が重要)。
不当な勧誘があれば契約を取り消せる
取消権の消滅時効:追認できる時から1年または契約締結時から5年(早い方が適用)。
不当な条項は最初から無効
消費者に一方的に不利な条項は、合意していても無効です。
「いかなる損害も当社は責任を負わない」→事業者の損害賠償責任を全部免除する条項は無効
「解約の場合は100万円のキャンセル料を支払うこと」→平均的損害を超える解約料条項は超過部分が無効
特定商取引法:クーリングオフで不意打ち契約を取り消す
消費者契約法の内容を踏まえて、次は「特定の取引形態」を規制する特定商取引法を見ましょう。
訪問販売・電話勧誘販売・マルチ商法などは、消費者が準備なしに勧誘を受ける形態です。そのため「一定期間内なら無条件で解除できる」クーリングオフ制度が設けられています。
クーリングオフ期間(試験最頻出の数値)
クーリングオフの手続き:書面(ハガキ等)または電磁的記録(メール等)を発信した時点で効力が発生します(発信主義)。事業者が受け取る前でも有効です。違約金・損害賠償は一切不要。商品は着払いで返送できます。
通信販売の代わりの保護:クーリングオフはないが、返品の可否・条件の表示義務があります。事業者が「返品不可」を明記していない場合、商品到着から8日以内に返品できます。
割賦販売法:クレジット払いに特有の保護
クーリングオフで販売店との契約を解除しても、クレジット払いが残るのでは意味がありません。この問題に対応するのが割賦販売法です。
通常、クレジット会社への支払い義務は販売店との問題とは別です。しかし、それでは「商品が届かないのに分割払いだけが続く」という不合理が生じます。
抗弁の接続:消費者が販売店(加盟店)に対して取消し・解除等の抗弁事由を持つ場合、クレジット会社に対しても同じ理由で支払いを拒絶できる制度です(割賦販売法)。
例:悪質な訪問販売業者から30万円の商品をクレジットで購入→契約を取り消した→クレジット会社への残りの分割払いも止めることができる。
確認クイズ(抜粋)
Q1. 訪問販売のクーリングオフ期間として正しいものはどれか。
A. 8日間
Q2. クーリングオフの効力発生時期として正しいものはどれか。
A. 消費者が書面を発送した時点(発信主義)
Q3. 消費者契約法における不当条項の例として正しいものはどれか。
A. 事業者の損害賠償責任を全部免除する条項
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