労働基準法の基礎
労働条件明示義務、賃金支払いの5原則、法定労働時間、有給休暇の要件を学びます。
なぜ労働基準法が必要か
「1日16時間働かせても構わない、と雇用契約に書いてあるから問題ない」。これは誤りです。労働基準法は、使用者(会社)と労働者の間にある力の差を是正するため、労働条件の最低基準を定めた強行法規です。この基準を下回る労働契約は、その部分が無効となり、労働基準法の基準が自動的に適用されます。なぜなら、契約の自由だけに委ねると、弱い立場の労働者が不利な条件を飲まされる危険があるからです。
労働条件の明示義務:書面明示が必要な事項
使用者は、労働契約の締結時に労働条件を明示しなければなりません。以下の事項は書面(または電磁的方法)による明示が義務付けられています。
口頭だけでの明示は許されず、明示義務違反は30万円以下の罰金となります。これにより、後から「そんな条件だとは知らなかった」というトラブルを防いでいます。
賃金支払いの5原則
賃金は次の5つの原則に従って支払わなければなりません。これに違反する支払い方法は無効です。
法定労働時間と割増賃金
法定労働時間は1日8時間・1週40時間が原則です(特例事業場は週44時間)。
これを超えて労働させる場合は、労使間で36協定(時間外・休日労働に関する協定)を締結し、労働基準監督署に届け出る必要があります。
休憩時間の最低基準も法定されています。
年次有給休暇:付与要件と付与日数
6ヶ月以上継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者には、10日の年次有給休暇が付与されます(労働基準法39条)。その後は勤続年数に応じて増加し、最大20日となります。
8割出勤の基準が設けられる理由:全く出勤しない期間があった労働者にも有給を付与すると、実質的に義務を果たしていない期間に休暇を与えることになるからです。一定の出勤実績を前提としつつ、健康確保のための休暇を保障するバランスをとっています。
確認クイズ(抜粋)
Q1. 労働基準法で定める賃金支払いの5原則に含まれないものはどれか。
A. 均等払いの原則
Q2. 労働基準法の法定労働時間として正しいものはどれか。
A. 1日8時間・1週40時間
Q3. 労働基準法上、使用者が時間外・休日労働をさせるために必要なものはどれか。
A. 36協定の締結と労働基準監督署への届出
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