契約の成立と効力
契約の成立要件、申込みと承諾、契約不適合責任など契約の基本を学びます。
契約が成立する瞬間
「口頭で合意したはずなのに後から否定された」。こうした問題を防ぐため、契約がいつ・どのように成立するかを正確に理解することが重要です。営業担当者が見積書を提示し、相手が「それでお願いします」と言った瞬間、法律上の契約は成立しています。書面も代金支払いも必要ありません。
契約の成立要件と到達主義
契約が有効に成立するためには、以下の要件が必要です。
申込みと承諾の合致(意思表示の一致)
当事者の行為能力(制限行為能力者の場合は取消しうる)
目的の確定性・可能性・適法性・社会的相当性
民法では到達主義が採用されており、承諾の意思表示が申込者に到達した時点で契約が成立します。なぜなら、発信した側だけで効力を生じさせると、相手方が知らないまま義務を負うという不合理が生じるからです。
申込みと承諾:変更承諾に注意
変更承諾の実務上の注意:相手が「金額を少し変えて合意します」と言っても、それは承諾ではなく新たな申込みです。改めて自社が承諾しなければ契約は成立しません。
契約の種類:典型契約13種と非典型契約
民法に規定される典型契約(有名契約)として、以下の13種類があります。
これ以外の契約は非典型契約(無名契約)といい、フランチャイズ契約・リース契約などが該当します。非典型契約も私的自治の原則のもと有効であり、関連する典型契約の規定が類推適用されることがあります。
契約不適合責任:引き渡された物に問題があったとき
引き渡された目的物が種類・品質・数量について契約の内容に適合しない場合、買主は以下4つの権利を行使できます。
通知期限:不適合を知った時から1年以内に売主に通知しなければなりません(民法566条)。この通知を怠ると原則として権利を失います。なぜなら、いつまでも請求を受ける状態を続けると売主の地位が不安定になり、取引の安全が損なわれるからです。
確認クイズ(抜粋)
Q1. 契約の成立について最も適切なものはどれか。
A. 申込みと承諾の意思表示が合致した時点で成立する
Q2. 民法上の到達主義の説明として正しいものはどれか。
A. 意思表示は相手方に到達した時点で効力を生じる
Q3. 次のうち、民法に規定されている典型契約(有名契約)に含まれないものはどれか。
A. フランチャイズ契約
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