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知的財産権Ⅱ(著作権法・商標法)

著作権の自動発生・保護期間・著作隣接権、商標の機能・存続期間・更新制度を学びます。

1. 著作権の最大の特徴:登録不要・創作と同時に発生

「登録しなくてもいい」。これが著作権の最大の特徴です。小説を書く、絵を描く、音楽を作る、これらの創作した時点で自動的に著作権が発生します(無方式主義)。産業財産権(特許・実用新案・意匠・商標)が「登録しなければ保護されない」のとは対照的です。


2. 著作物とは:保護される例と保護されない例

著作物: 思想または感情を創作的に表現したものであって、文芸・学術・美術・音楽の範囲に属するもの(著作権法第2条)

著作物に該当するもの著作物に該当しないもの
小説・論文・音楽・映画事実・データそのもの
絵画・写真アイデア・コンセプト(「表現」でなく「アイデア」は保護されない)
コンピュータプログラム法律・判決の文章

ヒント:アイデア・表現二分論:「犯人が最後に判明する推理小説」というアイデアは保護されませんが、具体的に書かれた小説の文章は著作物として保護されます。アイデアを保護すると後続の創作者の自由が著しく制限されるからです。


3. 著作権の存続期間:死後70年(2018年改正)

著作物の種類保護期間
一般の著作物著作者の死後70年(2018年改正で50年から延長)
法人著作物・映画の著作物公表後70年

ヒント:著作権は登録なしに自動発生します。「登録したから保護される」という理解は誤りで、未登録でも創作した時点から権利があります。


4. 著作隣接権:伝達者を保護する権利

著作物を社会に伝達する役割を担う者に認められる権利です。著作者への権利(著作権)に「隣接する」権利という意味です。

著作隣接権者具体例
実演家俳優・歌手・演奏家等
レコード製作者CDなどの録音物を製作した事業者
放送事業者テレビ局・ラジオ局
有線放送事業者ケーブルテレビ等

著作隣接権の保護期間は原則70年(実演・レコードは固定等から70年)。なお、書籍を出版するだけの出版社には著作隣接権は認められません。


5. 商標権:ブランドを登録日から10年(更新可能)

商標の3つの機能:

機能内容
出所表示機能どの会社の商品かを示す「SONY」のロゴ→ソニー製品と分かる
品質保証機能一定の品質であることを保証するそのブランドの品質水準が信頼される
広告宣伝機能ブランドイメージを蓄積する長年の使用でブランド価値が高まる

存続期間: 登録日から10年(何度でも更新可能)→ 半永久的に保護されます。なぜなら、使い続けているブランドを保護しなければ消費者が混乱するからです。


6. 著作権 vs 商標権:比較整理

観点著作権商標権
権利発生登録不要(創作と同時)登録必要(特許庁への出願・登録)
保護期間著作者の死後70年10年(更新可能・半永久)
保護対象創作的な表現(小説・音楽・プログラム等)商品・サービスの識別標識(名称・ロゴ等)

7. 著作権の制限:許可なく利用できる場合

著作権者の許可なく著作物を利用できる主な場合:

利用の種類条件
私的使用のための複製個人・家庭内での使用目的で、使用者本人が複製する
引用公表された著作物であり、出所を明示し、主従関係(引用が従)があること
教育機関での複製授業の過程での必要最小限の利用(一定の条件下)
図書館での複製利用者への資料提供のための一定の複製

よくある誤解・つまずき

  • 著作権は登録不要(創作した時点で発生)。 一方、商標権は特許庁への登録が必要(登録主義)。混同に注意。
  • 「引用」には条件がある。 出所明示・主従関係・必然性などを満たさないと違法。
  • 私的複製や教育機関での複製など、著作権には例外(権利制限)がある。

ここまでのまとめ

  • 著作権:無方式主義(創作時に発生)、存続期間は原則 著作者の死後70年。
  • 商標権:登録主義(更新で半永久的に維持可能)。
  • 著作権の例外(私的複製・引用・教育/図書館での利用など)。

確認クイズ(抜粋)

Q1. 著作権が発生するのはいつか。

A. 著作物を創作した時(自動発生)

Q2. 著作権の保護期間として正しいものはどれか。

A. 著作者の死後70年

Q3. 商標権の存続期間として正しいものはどれか。

A. 登録日から10年(更新可能)

全10問のクイズはサイトのインタラクティブ版でお試しください。

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