暦のしくみ|定気法と平気法、うるう月、節月
二十四節気は、それ自体が太陽の暦の要素である。これを月の満ち欠けの暦に組み込むしくみが、旧暦(太陰太陽暦)を支えてきた。
定気法と平気法
二十四節気の決め方には、二つの方式がある。
- 平気法(へいきほう)は、一年の時間を二十四等分して節気を置く方式である。江戸時代の寛政暦まで用いられた。
- 定気法(ていきほう)は、太陽の黄経を十五度ずつ等分して節気を置く方式である。天保暦(一八四四年)から現在まで用いられている。
地球の公転の速さは一定ではない。太陽に近づく一月頃は速く、遠ざかる七月頃は遅い。このため定気法では、節気と節気の間隔が、冬は約十四日、夏は約十六日と変わる。平気法ではこの間隔がつねに等しい。
定気法と平気法の違い(模式図)。平気法は一年の時間を等分するため節気の間隔が一定になる。定気法は黄経で等分するため、地球の公転が速い冬は間隔が狭く、遅い夏は広くなる。現在は定気法を用いる。
中気とうるう月
二十四節気は、立春から順に「節(せつ)」と「中(ちゅう)」が交互に並ぶ。立春は節、雨水は中、啓蟄は節、春分は中、という具合である。このうち中気(ちゅうき)が、旧暦の月の名を決めるよりどころになる。
旧暦では、春分(二月中)を含む月を二月、冬至(十一月中)を含む月を十一月、というように、その月に含まれる中気で月名を決めた。月の満ち欠けの周期と中気の周期はずれるため、ときどき中気を含まない月が現れる。その月を直前の月名にうるうを付けて「閏◯月」とし、暦に挿入する。これを無中置閏法(むちゅうちじゅんほう)といい、およそ三十三か月に一度のわりで起きる。
節月という数え方
節気のうち「節」の入る日を月の始まりとする数え方を、節月(せつげつ)という。立春から次の節(啓蟄)の前日までを一月とする見方で、占いの世界などで「節切り」として使われる。暦の上の月とは始まりがずれる。
二〇三三年問題
定気法には、構造上の難しさがある。
夏に節気の間隔が広がり冬に狭まる性質と、中気で月名を決めるルールが、ある条件で衝突する。二〇三三年から二〇三四年にかけては、中気の入り方が月の区切りと合わなくなり、どの月を何月と呼ぶか、どこにうるう月を置くかが、現行のルールだけでは決められない事態が予想されている。これが旧暦の二〇三三年問題で、暦の決め方そのものに関わる課題として知られる。