生食スプラウトの食中毒を防ぐ|家庭でできる衛生
スプラウトは生で食べることが多い食品です。だからこそ、育て方と扱い方の衛生が大切になります。この点は、公的な指針にもとづいて確かめておきます。
なぜリスクが高いのか
農林水産省の衛生管理の指針によれば、スプラウトはほかの野菜にくらべて、食中毒のリスクが高い食品とされています。理由はいくつか重なっています。
- 生のまま、種の皮ごと食べるため、加熱による殺菌の工程がありません。
- あたたかく湿った環境で育てるため、菌が増えやすい条件が整いやすくなっています。
- 短い期間で育つため、種や水に菌が入ると、収穫までに増えてしまうことがあります。
関わる菌としては、腸管出血性大腸菌(O157など)、サルモネラ、リステリア、赤痢菌などが挙げられています。これらは、加熱していない食品で問題になることがあります。
汚染は種子から来ることが多い
食中毒菌がどこから来るかを知ると、備えの勘どころが分かります。農林水産省によれば、スプラウトに菌が付く経路は、種子、育てる水、作業する人の手などがありますが、なかでも種子に由来する可能性が最も高いとされています。種子についたわずかな菌が、発芽から収穫までの数日のあいだに、育てるのに適した温度と湿度のもとで増えていきます。
このことは、家庭での種選びに直結します。食用として売られているスプラウト用の種を使うのが出発点になります。畑にまく栽培用の種は、生で食べることを前提にしておらず、発芽をそろえるために薬剤で処理されていることもあるため、スプラウトには使いません。種の袋の表示を確かめ、食用と書かれたものを選びます。この違いは スプラウトと育苗のちがい でも扱っています。
家庭でできること
指針は生産の現場に向けたものですが、その考え方は家庭にも生かせます。要点は、清潔な水と、清潔な道具と、清潔な手です。
- 種や水は清潔なものを使います。水は飲める水道水を使います。
- 容器は使う前によく洗い、清潔にしておきます。
- 育てる場所を清潔に保ち、作業の前後で手をよく洗います。
- 収穫したら冷蔵庫に入れ、新鮮なうちに早めに食べます。
育てるときにいちばん気をつけたいのは、水です。停滞した水は菌が増えやすいので、こまめに替えて、容器にためたままにしません。水を替えたあとは、たまった水をしっかり切ります。
収穫したスプラウトは、食べる前に流水でよく洗います。種の皮が残っていると口ざわりが悪く、汚れも残りやすくなります。洗ったあとは水気をよく切ってから食べます。
家庭で気をつける点を、場面ごとにまとめると次のようになります。
| 気をつける場面 | 具体的な対策 |
|---|---|
| 水 | 飲める水道水を使う。こまめに替えて、容器にためたままにしない |
| 道具と容器 | 使う前によく洗って清潔にする |
| 手と場所 | 作業の前後で手を洗い、育てる場所を清潔に保つ |
| 収穫したあと | 流水で洗って水気を切り、冷蔵して新鮮なうちに食べる |
| 体調や体質 | 妊娠中、高齢、幼児、体調のすぐれないときは加熱する選び方も |
迷ったら食べない
においやぬめり、変色があるものは、食べずに処分します。妊娠中の人、高齢の人、小さな子ども、体調のすぐれない人は、生で食べるのを避けて加熱する選び方もあります。心配なときは、加熱調理してから食べると、生で食べるよりもリスクを下げられます。育てる容器や調理の道具を清潔に保つことも、安全につながります。生食の判断に迷うときは、無理をしないでください。安全に関わることは、最新の公的な情報に従うのが確実です。