「亀戸(かめいど)」の地名の由来|亀島・亀ヶ井・神戸の三説
「亀戸」と書いて「かめいど」。少し読みにくいこの地名は、東京の東部・下町に位置する江東区亀戸のことです。亀という縁起のよい字を持つこの地名には、ひとつに決められない複数の由来が伝わっています。まずは町の名前の成り立ちから、亀戸の歴史をたどってみましょう。
亀戸はどこにある町か
亀戸は、東京都江東区の北部にある町です。隅田川・荒川・中川といった大きな川にはさまれた東部低地(下町)に位置し、JR総武線と東武亀戸線の亀戸駅を中心に、住宅と商店、そして由緒ある神社や老舗が混在する、昔ながらの下町情緒が残る地域です。
低地ゆえに、この一帯はかつて海や川の水と深く関わってきました。その記憶は、亀戸という地名の由来にも色濃く残っています。
地名の三つの説
江東区の公式の説明によれば、「亀戸」の地名の由来には、大きく分けて次の三つの説が伝えられています。どれか一つが正しいと断定されているわけではなく、複数の説が併存しているのが実情です。
| 説 | 内容 |
|---|---|
| 亀島(かめじま)説 | この一帯がまだ海に浮かぶ島だったころ、その島の形が亀に似ていたことから「亀の島」と呼ばれた、という説。 |
| 亀ヶ井(かめがい)説 | 亀の甲を思わせる井桁(いげた)を組んだ「亀ヶ井」という古い井戸があり、そこから清水が湧いていたことに由来する、という説。 |
| 神戸(かみど)転訛説 | 神社の領地に住む民を指す「神戸(かみど)」が、長い年月のあいだに「かめいど」へと変化した、という説。 |
亀戸の地名の三つの説(模式図)。亀の形をした島、亀甲を思わせる井桁の古井戸「亀ヶ井」、神社の領民を指す「神戸(かみど)」の転訛——いずれの説も併存し、一つには断定されていません。
「亀の島」と「亀ヶ井」、どちらも“亀”という共通のイメージを持っているのが面白いところです。さらに「神戸」の説が重なって、現在の「亀戸」という表記と読み方が定着していったと考えられています。
なぜ一つに決まらないのか
地名の由来がひとつに絞れないのは、亀戸にかぎった話ではありません。文字の記録が乏しい時代から人が住み、口伝えで語り継がれてきた古い土地ほど、複数の説が混ざり合って残るものです。
このサイトでは、由来や年代について「諸説あるもの」はそのまま複数の説として紹介し、無理に一つの正解には決めつけません。古い土地の歴史を楽しむうえで、こうした“ゆらぎ”もまた魅力のひとつです。
まとめ
- 亀戸は東京都江東区北部、川にはさまれた東部低地(下町)の町
- 地名の由来には「亀島」「亀ヶ井」「神戸の転訛」という複数の説がある
- どれか一つに断定されているわけではなく、複数の説が併存している
亀戸の信仰の中心となってきた二つの神社については、亀戸香取神社(武の社) と 亀戸天神社(文の社) のページで詳しく紹介します。