七十二候とは|五日ごとに移る季節と、日本と中国の違い

最終更新: 2026年7月11日

七十二候は、二十四節気のひとつをさらに三つに分け、一年を七十二に区切ったものです。およそ五日ごとに移り変わる、最も細かい季節の目盛りにあたります。

気と候で「気候」

二十四節気のひとつは、約十五日あります。これを初候、次候、末候の三つに分けると、それぞれおよそ五日になります。二十四掛ける三で、一年は七十二の候に分かれます。

節気の「気」と、この「候」を合わせた言葉が「気候」です。日々の天気の移ろいを、五日という短い単位でとらえようとした、こまやかな見方がここにあります。

二十四節気のひとつ(約15日)初候約5日次候約5日末候約5日3つ × 24節気 = 七十二候

七十二候の成り立ち(模式図)。二十四節気のひとつ(約15日)を初候・次候・末候の三つ(各約5日)に分け、24掛ける3で一年を72に区切る。

中国から日本へ

七十二候のもとは、二十四節気と同じく古代の中国にあります。ただし候の名は、その土地の自然をそのまま写したものでした。中国内陸部の気候をもとにした候の名は、日本の風土とは合わないものも多くありました。

そこで江戸時代、貞享の改暦(一六八四年)にあたった渋川春海(しぶかわはるみ)が、日本の自然に合うように候を選び直しました。これを本朝七十二候(ほんちょうしちじゅうにこう)といいます。その後も改訂が重ねられ、明治の改暦の頃に現在へ続く形が整えられました。同じ時期でも、日本の候と中国の古い候とで名が異なるのは、こうした選び直しのためです。両者の対比は 七十二候の一覧 で並べて示しました。

半夏生という名残

七十二候の名の多くは、暦の上の区切りとして使われるにとどまります。そのなかで、夏至の末候にあたる半夏生(はんげしょう)は、田植えを終える目安として古くから重んじられ、暦に書き込まれてきました。現在では、季節の節目を示す 雑節 のひとつにも数えられます。

候の名を味わう

七十二候の名は、短い言葉で季節の一場面を描きます。

たとえば立春の初候は「東風解凍(はるかぜこおりをとく)」で、春の風が氷を解かす頃をいいます。春分の次候は「桜始開(さくらはじめてひらく)」で、桜が咲き始める頃をさします。日付そのものより、その時期に自然で何が起きるかを名が教えてくれます。

名には、植物や生きもの、空や水の様子を写したものが多くあります。虫が土から出てくる頃をいう候や、雪の下で麦が芽を出す冬の候など、目に見える自然の一場面が、そのまま名になっています。暦を追ううちに、季節がおよそ五日ずつ進んでいくのが感じられます。七十二すべては 七十二候の一覧 にまとめました。

← トップへ戻る