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極値分布:最大値・最小値の分布とガンベル分布

n 個の値の最大値・最小値の分布と、n を大きくしたときに現れる3つの型(ガンベル・フレシェ・ワイブル)を学びます。

このモジュールで学ぶこと

「100年に一度の洪水の水位」「10個の部品のうち最初の1個が壊れるまでの時間」のように、たくさんの値の最大値や最小値の分布を学びます。

  • 最大値・最小値の分布関数と密度
  • を大きくしたときの極限:ガンベル・フレシェ・ワイブルの3つの型

1. 最大値と最小値の分布関数

全部が x 以下になる確率

が独立で、どれも分布関数 に従うとします。最大値 が 以下になるのは、 個全部が 以下のときです。最小値 が を超えるのは、全部が を超えるときです。

0 0.5 1 1個 0.80 5個 0.33 20個 0.012 00.20.40.60.81 横軸 x/縦軸=最大値が x 以下になる確率 x^n
最大値が0.8以下になる確率は、1個 0.80、5個 0.33、20個 0.012。個数が増えるほど最大値は1に寄ります。

最小値の例:最初の故障

平均寿命1000時間の指数分布()に従う部品10個が独立に動くとき、次の式になります。

最初の故障までの時間は に従い、平均は100時間です。

0 0.5 1 050010001500 1個(平均1000時間) 10個とも(平均100時間) 横軸 時間/縦軸=まだ1個も壊れていない確率
1個なら1000時間後も 36.8% が動いていますが、10個が全部動き続ける確率は300時間で 5.0% まで下がります。最初の故障は、平均100時間でやって来ます。

密度

分布関数を微分すると、最大値と最小値の密度になります。

途中の 番目の値の分布は、十分統計量・順序統計量で図にしています。


2. n を大きくしたときの形

ずらすと形がそろう

を大きくすると、最大値はどんどん大きくなります。そこで、位置をずらし、幅をそろえて形だけを比べます。

02468 n = 1n = 10n = 100 横軸 = n 個の最大値/点線 = ln n(2.30・4.61)
n を10倍にするたびに山は右へ 2.30 ずれ、形はほぼ同じです。ずらして重ねるとガンベル分布に近づきます。

ガンベル分布が出てくる

平均1の指数分布なら です。最大値から を引くと、次のようになります( を使います)。

この がガンベル分布の分布関数です。 が2重になった形は、ここから来ています。


3. 極限は3つの型しかない

一般極値分布

元の分布が違っても、ずらして幅をそろえた最大値に極限の分布があるなら、それは3つの型のどれかです(Fisher-Tippett-Gnedenko の定理)。3つは、形状パラメータ をもつ一般極値分布(GEV)にまとめられます。

-20246 ガンベル型 ξ=0 フレシェ型 ξ=0.5 ワイブル型 ξ=−0.5 上限 2 長い裾 塗り=4を超える部分(右の裾)
4を超える確率は、フレシェ型 10.5%、ガンベル型 1.8%、ワイブル型 0 です。裾の長い分布の最大値ほど、とびぬけた値が出ます。

どの型になるかは元の分布の裾で決まる

元の分布の右の裾が指数的に減ればガンベル型、べき乗でゆっくり減ればフレシェ型、上限があればワイブル型になります。

型元の分布の例使う場面
ガンベル0正規、指数洪水、気温
フレシェ正コーシー、パレート金融の大損失、地震
ワイブル負一様上限のある量

最小値とワイブル分布

最小値は、符号を反転すれば最大値として扱えます。ワイブル型は正確には通常のワイブル分布を左右反転した形で、通常のワイブル分布は最小値の極限として現れます。部品の寿命(一番弱い所で壊れる)に使うのはこちらです。

確認クイズ(抜粋)

Q1. 平均寿命1000時間の指数分布に従う部品10個が、独立に動いています。最初の1個が壊れるまでの時間の期待値はいくらか?

A. 100 時間

Q2. 極値分布(Fisher-Tippett-Gnedenko の定理)に関して、正規分布の最大値が収束する分布はどれか?

A. ガンベル分布(Gumbel)

Q3. 一般極値分布(GEV)で形状パラメータ のとき、どの極値分布に対応するか?

A. フレシェ分布(Type II)

全10問のクイズはサイトのインタラクティブ版でお試しください。

第4章の他のモジュール

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